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ヴィジョナリーと呼べる人について考えてみました

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8月9日に参議院で郵政関連6法案が否決され、小泉内閣総理大臣は衆議院を解散、国民に郵政民営化の是非を問う総選挙という選択を下した。

衆議院総選挙は明日8月30日に公示され、翌9月の11日投票が行われる予定である。それを受けて、各政党もメディアも事実上の選挙戦に突入している。「郵政民営化の是非を問う」という小泉流のシンプルな構図からか、国民の関心も国際社会からの関心も高く、テレビは連日この話題を取り上げ、各党の代表者をはじめ多くの人々が実に多くの事を語っている。
ここで政策論議をするのが、この稿の意図ではない。政策論議以前にそれぞれの思惑や立場への言及が先に立ち過ぎて、政策論議が噛み合わないもしくは政策論議にならない現状はもどかしいのだが。それ以上に僕が感じるのはある大きな「欠落感」なのだ。この論戦にも、候補者にも、そしてジャーナリズムにも、メディアにもないもの。それは「こうして行こうよ」「こうなって行こうよ」というvisionではないか。

「政治は現実論である」という反駁もあるだろう。しかし、為政者が果さねばならないのは、国民に対して彼らをmotivate可能なvisionを提示することだと僕は思う。すなわち「理想論としての政治」である。そして、その仕事を今誰もしていないのだ。今行われている議論はすべてPoliticianによる政治技術論と言えまいか。「郵政民営化の是非」は重要なテーマ設定ではあるが、それについては先の総選挙で国民は「是」であると断を下したはず。本当に国民が見極めたいのは、「郵政民営化」を契機としてこれから行われる行財政改革によって、どのような国家と人々の生活をデザインして行こうとしているのか、である。そして残念ながら、いずれの政党の主張も、manifestoもこの要件を満たしていない。
自由民主党はマニフェストのテーマ5として「世界に胸を張れる日本へ」という言葉を提示しているが、その骨子は「凛とした日本外交の推進」である。その意気や良し、であるが内容は分からない。(笑)
他方民主党の日本刷新8つの約束の1番目は「ムダ使い一掃」である。これまた必要なことであるが、その先の日本の姿は当然のことながら、これだけでは見えてこない。重要なテーマが山積しており、どうしても課題列挙型のmanifestoになることは理解できる。しかし今必要なのは、その施策の上位概念としての国家像であり日本visionなのだ。もちろんそれを作り上げるのが容易な作業でないことは理解できる。しかし国民を共感させ、駆動させるvisionとそれを伝える優れた弁舌が今待たれていることを僕はひしひしと感じているのだ。
ちょうど今年のスタンフォード大学のCommencement speaker、アップルコンピュータ創業者CEOのSteve Jobsのスピーチ“stay hungry, stay foolish”に触れる機会があり、その内容の素晴らしさに感嘆した。それを聞いた人々の感動と共感は想像に難くない。こうしたスピーチが聴衆や国民に与える力は相当のものがあるだろう。日本の政治家やメディアに欠けているのはずばり「vision」とそれを美しく力強い日本語で語る「speech」なのだと思う。そんなspeechを聞きたいと思うし、そうしたvisionの創造に僕個人としても会社としても少しでも貢献していきたいと思う。IT企業の創業者がこうしたspeechを行えるアメリカと、「稼ぐが勝ち」という身も蓋もない言い方をしてしまう日本。ここに課題が凝縮されているようにも感じる。
自由民主党(トップページからリンク)
民主党マニフェスト
◆Steve Jobsによるspeech text

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